平成23年7月24日 日曜日

エアコン修理

Filed under: 電子工作 — とめくぎ @ 17:01:44

台風一過後、涼しい日々が続きますね。
先週暑い日についに居間のエアコンを動かそうと思ったら、送風しか出来なくなっていました。
しばらくすると運転ランプが点滅し、異常を知らせてきます。

家電で困った時の大明神ことアスナロネット様です。
ダイキンはリモコンの取消ボタンを長押しするとエラーコード探索モードになるので、エラーコードを確認。
L5: DC出力瞬時過電流異常です。圧縮機コイル不良、起動不良、パワートランジスタ不良」と出ました。

室外機型番
コンプレッサーの故障だったら嫌だなぁと、室外機から基板が付いた制御BOXを取り出す。
※回路に触れる際はACコンセントを抜いて、ブリッジダイオードの+-間の電圧がDCレンジで50V以下であることを確認する。
エアコン制御BOXBOX2BOX3
なんか、基板にうっすらと砂埃が体積しとる・・・・。蜘蛛の死骸が沢山。
ダイキンのエアコンひでーな。
ほとんど外に放置してあるのと変わらん・・・。よくカエルが焼死すると噂の箱だけはある。

目視では部品には異常は無さそう・・・。
BOXから基板を外し、パターン面を観察・・・・・。リング状に半田の割れが見受けられる。
半田割れ
片面基板で寒暖の差の激しい屋外にほぼ放置だから、そら割れるよなー。
ダイキンの室外機で火災の原因になってた、ブリッジダイオードの足やパワトラの足の部分は鳩目を打って半田してあるので、割れは無かったです。

ご多分に漏れず、トランジスタを駆動する回路の絶縁についてるフォトカプラの足にも半田割れが・・・・。
どうやらそれが原因で欠相運転になってるっぽく、それで過電流検出となっている様子だ。
トランジスタの各相の抵抗値は変化が無いから、欠相による破壊はないっぽい。

半田を盛りなおして、グリーンレジストに剥がれがある箇所があるので、そこを再塗装した。
レジスト浮き
取り付けてテストと思ったら外が暗いので日を改め、ハヤコート買ってきて塗布することにした。

塗布のために清掃をしたんだけど、そのときにガラスモールドのダイオードの割れが発見された。
ダイオード割れ

内機との通信線に繋がる抵抗にも腐食が見られ、絶縁塗膜がボロボロはがれるのが有った。
抵抗はカラーコードの通り39kΩを指しているが、断線するのも時間の問題なので予防交換する。

ダイオードは再半田をする前は割れてなかったと思うのだが、恐らく再半田の熱で割れた可能性が高い。
しかし、モールドが飛ぶほど熱を加えたつもりは無いので、元々モールドが不良で熱ショックで割れた可能性もある。
このダイオードがCTの巻き線から来た電圧を整流する回路にあたり、もしかするとコレが病巣だったのかもしれない。

あと、抵抗は内機接続端子の近くにあり、湿気の影響が受けやすい場所にある。
抵抗2本並列になっていて、恐らくフォトカプラに繋ぐ前の分圧用の抵抗と思われる。

会社の昼休みに秋葉で抵抗とハヤコートを買ってきた。ダイオードは手持ちのショットキを奢った。
ハヤコートはマルツで890円。抵抗はサイズは1/4Wのだが、用途を考慮し、元の抵抗の塗装色が酷似しているタクマン電子の小型1/2W(外寸が1/4Wと同寸の物)を選定した。

ハヤコートはメーカの売り文句だと優れた素材のようだ。豪華客船の飛鳥にも使われている、と聞きもしない自慢がPDFに書いてある。
メーカー曰く晴れた日の湿度の低い場所で塗れとある。薄曇だがまあ、そんなにジメジメしていないので、突貫する。
ハヤコート
養生テープでコネクターをマスキングして、イザ塗布開始!
マスキング1マスキング2マスキング3マスキング4マスキング5マスキング6
清掃はホーザンのパーツクリーナと無水エタノールと綿棒の人海戦術。コレが結構大変。

2~3回重ね塗りすると良いとあるので、30分ごとに塗り重ねするが、コンデンサやトランス等の背の高い部品の根元は
どうしても上手く行かない。ピンポイントでスプレーしたら、大量に降りかけてしまった。
やはり厚くなってしまった箇所は白濁してきた。メーカ曰く、白濁した箇所はピンホールになるとあるので、
ドライヤーで加熱したり、薄く塗り重ねたりして修復した。
それでも上手く塗れなかった部分は、ハヤコートを皿に取り、筆で塗った。
ハヤコート塗布完了1ハヤコート塗布完了2ハヤコート塗布完了3ハヤコート塗布完了4基板もセメント抵抗もテカテカに成ってしまった・・・。(笑)

塗装後24時間は通電するなとあるので、取り付けとテストは翌日行なった。
取り付けの前に室外機の錆をワイヤブラシで落とし、錆止め塗料を塗布した。

取り付け後20分ほど運転したが、目視、電流共に異常はなさそうだ。
AC1次電流9A、整流スタック後の直流電流は3Aほどであった。
計測計測2
これであと10年は頑張ってもらいたい。

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